優しく、強く。

こんにちは。
FC五十公野U12です。
下越2次リーグ・K1リーグの全日程が終了し、FC五十公野U12は3年ぶり、そしてチーム2度目の下越1位となりました。
結果は4勝1分の無敗優勝です。
まずは選手達、本当におめでとう。
そして保護者の皆様、対戦していただいたチームの皆様、大会運営に携わっていただいた皆様、本当にありがとうございました。
正直に言うと、まだ実感はそんなにありません。
もちろん嬉しいです。
でも優勝した喜びよりも先に、この数年間のことを思い出しています。
届かなかった目標。悔しくて流した涙。うまくいかなかった日々。
そして、それでも前を向き続けた選手達の姿を。
4年生の時。
マルソーカップで下越3位となり県大会へ出場しました。
県大会でも自分達らしく戦うことはできましたが、目標としていたベスト8には届きませんでした。
悔しかった。
それでも、あの時はまだ来年があると思えました。
この経験を積んだ選手達ならもっと成長できる。
そんな期待の方が大きかったように思います。
本当に苦しかったのは5年生の時です。
ホンダカーズカップ。
目標は優勝。
県大会出場は最低限クリアしなければならない目標だと思っていました。
結果は下越4位。
県大会出場も叶いませんでした。
悔しかった。
本当に悔しかった。
選手達は頑張ってくれました。
誰ひとり手を抜いていませんでした。
苦しいことから逃げる選手達でもありませんでした。
それなのに結果を出すことができなかった。
あの時は選手達に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
選手達が足りなかったのではありません。
私が足りなかった。
今でもそう思っています。
だからこそ、私自身も学ばなければいけませんでした。
FC五十公野の活動は平日の夜1回と土日の活動が中心の基本週3回。
他チームには週5日、週6日と活動しているチームもあります。
指導者の立場からすると、選手達を目標へ届かせるための時間は決して十分ではありません。
もっと練習したい。
もっと教えたい。
もっと経験させたい。
そう思ったことは何度もあります。
でも活動日数を増やすことは簡単ではありません。
だから考えました。
無いものを求めるのではなく、今あるものを最大限に活かそうと。
量で勝負できないなら、質を高めようと。
そのためにはまず私自身の学びが必要でした。
先輩指導者に教えを請いました。
指導者研修や勉強会にも参加し、たくさんの指導実践書籍を読みあさり、トレーニングのオーガナイズを学びました。
新しい視点が欲しくて、他競技の指導者に話を聞いたこともあります。
名監督や名プレーヤーと呼ばれる方のインタビュー記事や、時にはサッカーとは関係のない勝負師と言われる方の書籍や動画からヒントを見つけようと、のべつまもなく必死でした。
正解を探していたわけではありません。
この子達の可能性を少しでも広げる方法を探していました。
日々の練習以上に大切にしてきたことがあります。
それは日常です。
私は選手達に自主練習をしろとはあまり言いませんでした。
もちろん自主練習は素晴らしいことです。
でも、それ以上に大切だと思っているものがありました。
挨拶をすること。
感謝を伝えること。
整理整頓をすること。
時間を守ること。
規則正しい生活をすること。
周りの人を大切にすること。
一見するとサッカーとは関係がないように見えるかもしれません。
でも私は、そういう姿勢が必ずピッチに表れると思っています。
日常の習慣が必ずプレーに出る。
ずっとそう信じてきました。
以前、他チームの指導者の方から、
「五十公野の選手は優しくてみんないい子達だよね」
と言っていただいたことがあります。
本来なら本当に嬉しい言葉です。
今もそう思っています。
でも結果が出ていなかった当時の私は、その言葉をどこか素直に受け取れませんでした。
優しいだけ。
いい子なだけ。
勝負に徹しきれない。
大事な試合で弱い。
そんな意味に聞こえてしまい皮肉ととらえていたのです。
もちろん、その方にそんな意図がないことは分かっていました。
それでもそう感じてしまうほど悔しかった。
それほどまでに結果を掴ませてあげたいと求めていました。
でも私も知っています。
この代の選手達は本当に優しい。
少し気持ちが弱くて。
悔しいと涙を流して。
仲間のことを本気で考えて。
本当にいいヤツらです。
だからこそ思いました。
優しくていい子で終わらせたくないと。
優しくていい子で、
そして強い子にしたいと。
重圧から逃げない子にしたい。
苦しい時にこそ戦える子にしたい。
自分を仲間を信じられる子にしたい。
本気でそう思ってきました。
そして今年。
ありがたいことに、多くの方から期待をしていただきました。
選手達もその期待を感じていたと思います。
期待は力になります。
でも同時に重圧にもなります。
それでも選手達は逃げませんでした。
目の前の練習を大切にし、
目の前の試合に集中し、
一つひとつ積み上げてきました。
今回の結果には、もう一つ大きな価値があると思っています。
それはトーナメントではなく、長期間にわたるリーグ戦で掴んだ結果だったことです。
トーナメントはその日の勢いや流れに左右されることがあります。
ですがリーグ戦は違います。
相手も対策をしてくるなかで、継続して成長し続けなければ勝ち点を積み重ねることはできません。
課題を見つけて修正する。
上手くいかなければ変える。
良かった部分はさらに伸ばす。
その繰り返しです。
今回のリーグ戦を振り返ると、選手達は試合を重ねるごとに成長してくれました。
私達は結果を守るためにサッカーを変化させたわけではありません。
目指しているサッカーをより高いレベルで表現できるように積み上げてきたことがバージョンアップとなりました。
選手の良さをもっと引き出せないか。
この選手にはどんな役割が合うのか。
チームとしてもっと成長できないか。
スタッフでも何度も話し合いました。
選手達も変わりました。
ポジションや役割を全員が少しずつ増やし、声と笑顔でチームを支えられる存在も自分達で増やしました。
チームとしてもマイナーチェンジを繰り返し、戦術的にも新しい取り組みを行いました。
うまくいったこともあります。
失敗したこともあります。
それでも選手達は変化を恐れず挑戦し続けてくれました。
K1リーグでは5試合で総失点数1。
ただし、私達が目指したのは、引いて守るサッカーではありません。
高いラインを保ちながらコンパクトな守備陣形をつくりいい形での回収から攻撃へつなげること。
そして全員でボールを奪い、全員で攻撃すること。
誰か一人に頼るのではなく、組織として攻守を行うこと。
選手同士がつながりながら、自分達で主導権を握ること。
そんなサッカーを目指してきました。
だからこそ今回の下越1位は、ある日突然手に入ったものではなく、
長いリーグ戦の中で、
選手達が成長し、
スタッフが学び続け、
そして自分達のサッカーをより高いレベルで表現できるようになった先にあった結果です。
そこに大きな価値があると思っています。
最終戦。
勝てば文句なしの優勝。
そんな状況でした。
それでも選手達は他チームの結果に興味を示しませんでした。
誰かに優勝させてもらうのではなく、
自分達で決める。
目の前の試合に勝つ。
そのことだけに集中していました。
あの緊張する状況でピッチに向かうために組んだスマイル円陣。
あの笑顔がチームの成長と強さを表していたと思います。
そして自らの力で下越1位を掴み取りました。
試合終了の笛が鳴った瞬間。
私が最初に感じたのは歓喜ではありませんでした。
どちらかと言えば安堵でした。
選手達の表情からも、
「やった!」
というより、
「よかった・・・」
そんな空気を感じました。
ここまで積み上げてきたものが結果につながったことへの安堵。
期待やプレッシャーの中で戦い続けてきたことから解放された安心感。
そんなものがあったのかもしれません。
でも、それだけではありませんでした。
選手達にはどこか納得していないような表情もありました。
もっとできた。
もっと良い判断があった。
もっと良いプレーができた。
そんな思いも同時に抱えていたように見えました。
優勝したのだから、大喜びしてもいい。
飛び跳ねてもいい。
大騒ぎしてもいい。
でもあの日の選手達はそうではありませんでした。
勝ったことに満足するのではなく、
次の課題を探していました。
勝って反省し、負けて学ぶ。
今年の選手達はその姿勢を体現してくれました。
そしてその瞬間に思いました。
ああ、この子達は強くなったなと。
優しいだけじゃない。
優しさを失わずに強くなったんだなと。
今回の結果により、全日本少年サッカー大会下越予選のシード権を獲得することができました。
ですが、私達は何かを成し遂げたチームではありません。
シード権はゴールではなく、新たな挑戦権です。
下越1位になったから偉いのではありません。
下越1位代表として挑戦する責任をいただいたのだと思っています。
だからこれからも挑戦者としての立場は変わりません。
今回の下越1位は結果でしかなく、
でも私にとっては、それ以上の意味があります。
4年生で届かなかった目標。
5年生で味わった悔しさ。
自分自身の未熟さ。
選手達が流した涙。
保護者の皆様の支え。
スタッフの努力。
その全てが積み重なって、今日につながりました。
だから今回の下越1位は単なる順位ではありません。
これまで積み上げてきたことの揺るぎない証明です。
選手達へ。
下越1位、本当におめでとう。
4年生の時、届かなかった目標があった。
5年生の時、県大会へ行けなかった悔しさがあった。
そしてコーチには、君達に申し訳ないと思った日があった。
もっとできたんじゃないか。
もっと成長させられたんじゃないか。
もっと勝たせてあげられたんじゃないか。
自分は離れた方がいいんじゃないか。
そんなことばかり考えていました。
それでも君達は諦めなかった。
思うような結果が出なくても。
苦しい試合が続いても。
大きな期待をかけられても。
プレッシャーがあっても。
一歩ずつ前へ進み続けました。
コーチはずっと思っていました。
優しくていい子で終わらせたくないと。
優しくて、仲間想いで、泣き虫で、でも本当に良い奴らだからこそ優しくて強い子になってほしいと。
そして君達は証明してくれました。
優しさは弱さじゃないことを。
仲間を大切にすることは甘さじゃないことを。
感謝することは勝負弱さじゃないことを。
良い人間であることと、強い選手であることは両立できることを。
君達は自分達の姿で証明してくれました。
下越1位になったことは素晴らしい。
だから今だけは胸を張ってほしい。
自信を持ってほしい。
君達は本当によく頑張った。
その結果として、自分達の力で下越1位を掴み取った。
でも、満足はしてほしくありません。
きっと君達もそうだと思います。
なぜなら優勝したあの日、一番近くで見ていたコーチには分かったからです。
君達は優勝に浮かれていなかった。
もっとできた。
もっと良いプレーがあった。
もっと成長できる。
そんなことを考えていたんだと。
あの日の姿が、君達の答えだったと思います。
だからコーチは信じています。
君達ならもっと成長できる。
もっと強くなれる。
もっと素晴らしいチームになれる。
そして、もっといい景色を見ることができる。
この景色を見せてくれてありがとう。
そして、ここからもっといい景色を見に行こう。
コーチはとても楽しみにしています。
本当にありがとう。
そして、おめでとう。
FC五十公野 VAMOS
試合結果
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